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Tシャツ徹底解剖 —素材編―

Tシャツ徹底解剖 —素材編― | NEWS | Aquascutum アクアスキュータム

Tシャツ徹底解剖
—素材編―

あの人が着るTシャツはなぜかっこいい?
実は奥深いTシャツの世界を全3回で徹底解剖!

近年の酷暑化の影響もあって、あらゆる場面で通用するようになったTシャツ。
休日の公園、遊園地、百貨店でのショッピングはもちろん、レストラン、テレワーク、商談など…ドレスコードがある場面やビジネスシーンでも目にするようになりました。

ところで、すれ違う男性をみかけて、こう思ったことはないでしょうか。
「ただのTシャツなのに、どうしてあの人が着るとかっこいいんだろう?」

知る人は知っている、Tシャツの選び方。
良いTシャツとは? 他と何が違う?
その答えを、是非一緒に解き明かしてみませんか?

第3回は着心地にも直結する「素材」に注目してみましょう。


Tシャツ徹底解剖
—素材編―

あの人が着るTシャツはなぜかっこいい?
実は奥深いTシャツの世界を全3回で徹底解剖!

近年の酷暑化の影響もあって、あらゆる場面で通用するようになったTシャツ。
休日の公園、遊園地、百貨店でのショッピングはもちろん、レストラン、テレワーク、商談など…ドレスコードがある場面やビジネスシーンでも目にするようになりました。

ところで、すれ違う男性をみかけて、こう思ったことはないでしょうか。
「ただのTシャツなのに、どうしてあの人が着るとかっこいいんだろう?」

知る人は知っている、Tシャツの選び方。
良いTシャツとは? 他と何が違う?
その答えを、是非一緒に解き明かしてみませんか?

第3回は着心地にも直結する「素材」に注目してみましょう。




高い生地と安い生地の違いとは?

高いTシャツには良い生地が使われていて、安物のTシャツは普通の生地が使われている。Tシャツの善し悪しを考えた時、真っ先に思いつくのが生地の差ではないでしょうか。では、「いい生地」とは、一体どういう生地なのでしょう。

そもそも洋服は、植物から採取された「繊維」、繊維を紡績して作られる「糸」、糸を編む(或いは織る)事で作られる「生地」の段階を経て、最終的に縫製され、完成します。この「繊維」「糸」「生地」の段階それぞれで、「いい生地」になれるかどうかの要素があるのです。


繊維

綿の場合、採取される繊維の質はその「長さ」によって決まります。よく聞く言葉「超長綿」というのはこの事を示しています。



短い繊維を撚り合わせた糸は、繊維の端が多くなるので表面に毛羽ができやすく、チクチクとした肌触りを生みやすくなります。一方で長い繊維を用いれば、肌当たり滑らかで光沢に富む糸を引く事ができます。
世の中のTシャツは、上図でいう中繊維綿や長繊維綿を用いたものがほとんどで、アメリカのピマコットン、エジプト綿、インド綿など、よく耳にする多くの綿はこのどちらかに属しています。

「ピマ」という言葉を聞いて、おや?と思われた方は、きっと洋服に興味がおありの方なのではないでしょうか。アクアスキュータムオンラインのTシャツページにて、ご説明文の中に「スーピマコットン」の記述を目にした方もいらっしゃるかと思います。「スーピマ」とは「Superior Pima(優れたピマ)」の略称で、ピマコットンの中でも、繊維長35mm以上の「超長綿」に分類される繊維にしか名乗る事を許されない特別な呼称です。
綿全体の2%未満しか採取されないとされる超長綿は非常に肌当たりが滑らかで着心地も抜群。スーピマコットンの他にはエジプトのギザコットン、インドのスヴィン綿、カリブ海周辺を発祥とする海島綿などが分類されます。



↑スーピマコットンを用いた【TEC.3 Cool touch T-shirt(2206272005)】
インナーアイテムらしい素肌に心地よい着心地は超長綿ならではのもの。 



とあるアイテムページにこんな記載を見つけました。
【ブラック無地Tシャツ(2266272019)】
「超長綿60/1の細番手糸を使用し、シルケット加工を施したスムース生地の無地Tシャツ。」


このTシャツもまた、繊維に超長綿を使用したハイエンドな一枚ですが、その記載の後ろに気になる文字が。“60/1”という、分数にも見えるこの数字こそ、糸の品質を示す数値です。これは“糸の番手/糸の本数”を示しています。

「番手」とは糸の細さを表す単位の事。数字が大きければ細く、小さければ太い糸を表します。一般的に、綿の番手を示す場合は一定の重さを基準として、その糸が基準の重さに達するのにどれくらいの長さが必要かを測っています。
つまり、例えば60番手の糸は30番手の糸よりも、基準の重さになるのに2倍の長さを要したという事なので、より細く軽い糸である事を表しているのです。


「糸の本数」は言うまでもなく、その糸が何本の糸を撚り合わされて作られたものかを表すもの。1本のみで作られたものを「単糸」、2本撚り合わせたものを「双糸」、3本撚り合わせた物を「三子撚り」と言ったりもします。

つまり、“超長綿60/1”というのは、超長繊維綿で作られた60番手の単糸ですよという事を示しています。10番手というと、デニムに使われる綿糸の太さ。100番手というと、高級なドレスシャツに使われる綿糸の太さのイメージを持つと、糸の細さの感覚が掴みやすいのではないでしょうか。Tシャツによく使われるのは30~50番手程度。高級なもので60~80番手の綿糸を使ったTシャツが登場するイメージです。


糸に関してはもう一点、繊維を撚り合わせる際の捻じる向きによって「S撚り」「Z撚り」というものが存在するのも重要な点です。「/2」が指す双糸というのは多くの場合この「S撚りとZ撚り」の捻じる向きの異なった2本を一つの糸としており、これによりTシャツの斜行を防ぐ役割を担っています。
単糸の場合、糸の細さをキープできるので滑らかで繊細な着心地を楽しめる一方、撚りの方向が同じ糸を使うので、洗濯を繰り返すと生地が斜行し、徐々に捻じれてくる恐れがあります。使い古したTシャツの脇線が、だんだん真横じゃなくなってきたなぁというご経験はありませんか?
双糸の場合、2本の糸を撚り合わせるのでやや生地に厚みが出ますが、撚りの向きを打ち消してくれるので、繰り返しの洗濯でも斜行しにくく、長くきれいに着られるメリットがあります。







40/2の強撚糸を用いた【<175th limited>Club Check Striped T-shirt(2206272011)】。
手持ち感はややあるものの、長く綺麗に着られるカジュアルアイテムとしてオススメ。  



生地

さぁ、糸の段階を過ぎれば、いよいよ生地の段階へと進みます。
糸を編み込んでいく事でTシャツの生地は作られるわけですが、世の中にあるほとんどのTシャツ生地は「天竺編み」という編み方で作られているものと思って間違いありません。天竺編みには裏表があり、表面は光沢があって滑らかな触り心地、裏面はマットな見た目でややシャリ感のある触り心地となっています。


↓表面と裏面で組織の出方の異なる天竺編みは、肌触りも表裏で差がある。




対して、稀に採用されているのが「スムース編み」と呼ばれるもの。この編み方は表裏の区別がなく、裏面にも天竺でいう表面の組織が現れます。肌に触れる面もツルっとしているので、素肌に着るTシャツを想定しているのであればスムース編みの物を選ぶと心地よく過ごせます。


40/2の強撚糸を用いた【TEC.3Trip:Smooth Raglan Sleeves T-shirt(2206272003)】は、名前の通りスムース編みを採用。ラグランスリーブの形とステッチが多く表面に出る仕様(縫製編 参照)も相まって、素肌に着る事を想定した心地よさ重視のカジュアルウェアである事がお伝えできていたら嬉しく思います。  





その他、アクアスキュータムでは175th記念企画のTシャツにもスムース組織を採用。イタリアALBINI社が手掛ける生地は、イタリアらしい感性の色彩も魅力です。

【<175th Limted> Big Ben T-shirt(2206272510)】
【<175th Limted> Motif T-shirt(2206272210)】
【<175th Limted>Stamp Motif T-shirt(2206272410)】  


Tシャツの生地を語る上では、カットソーとニットの違いにも触れる必要があるかもしれません。ニットはそのまま編み地の事。一方で、カットソーは本来「CUT(着る)&SEW(縫う)」を意味する造語となります。
糸を編みこんだニットは“素材”そのものを指す言葉でした。それが転じて、今ではセーターやカーディガンなどの“製品”も含んでニットと呼ばれるようになっています。
ですので、広い意味ではカットソーもニットの内という事になります。整理するなら、セーターやカーディガンと同じ立ち位置にカットソーがいて、それらをひっくるめてニットと呼ぶのが本来だという事です。
では、両者をあえて分けて呼称するのはなぜでしょうか。それは、カットソーは一度編んだ生地をパーツの形に切り出し(カットし)ていく工程が入るのに対し、ニットはそもそもその形に編み上げるので、製造過程にカットの工程がない為です。

Tシャツと半袖ニットの違いは、ほんとのところは作り方なわけですね。ここまで長らくTシャツについて見てきましたが、アクアスキュータムには「ニット」の分類でも半袖のアイテムが存在します。








【Honeycomb jaquard Short-Sleeve(2206462006)】





【Chequered Knit Polo(2206262004)】



ニットの生地の特徴としては、編み柄の自由度が高い点と、リブ編みなど、他の編み組織と繋げて編んでいける点があげられます。カットソーは切る工程があるので、目が緩かったりざっくりした編み目の生地を用いると、ほつれやカールの原因となり、物理的に縫製が難しいだけでなく、粗悪な製品に仕上がる可能性が出てきてしまいます。なので、カットソーの柄といえばもっぱら、目の詰まった生地にプリント柄を施すのが一般的。

対して、ニットは切る工程がないのでプリントを用いずに陰影を使ったジャガード柄を作りやすいのが魅力となります。また、裾や袖にリブ編み組織などを繋げていけるので、ダルっとしない大人な表情の半袖ウェアを楽しむことができます。

「無地ベースが良いけど、ただの無地だと味気ないな」とTシャツ選びに困っている方は、ぜひ、夏でもニットのページを覗いていただけると琴線に触れる1着を見つけられるかもしれません!








↑カットソーの中でも編み柄が存在しないわけではない。ジャガード編みはカットソーにもみられる編み方。
【Links Jacquard T-shirt(2206272008)】


いかがでしたでしょうか。全3回にわたりご紹介してきたTシャツの世界。
洋服の中ではとてもシンプルなアイテムですが、要所要所にこだわりが見て取れるおもしろいアイテムでもあるのです。

今回は「素材」にフォーカスして見てきましたが、難しいのは、繊維が超長綿だからと言っても、撚りが甘い糸だったり、緩い編みの天竺生地だったりすると、製品になった時にはあまり良いものだと言えなくなってしまう事。
翻って、中繊維綿を使っていても、番手の細い糸をしっかり引いてスムース生地で仕上げれば、肌触り滑らかな生地を仕立てる事もできます。

「あの人が着るTシャツはなぜかっこいいんだろう」
素朴な疑問を出発点とした今回、
「違いを知っている事」「自分に合ったものを選んでいる事」
そんな要素が答えに近づくカギになる気がします。

例えば、素材にいいものを使っているTシャツであっても、袖山が高く、ミシン目の少ない細身のTシャツをバーベキューなどで着ていると、すこしチグハグな感じがしてしまうかもしれません。
光沢感の少ない繊維を用いていても、双糸由来の丈夫な生地を用いた、袖山の低い、バインダー仕様のTシャツを公園で着ていれば、素敵に見える気がしますよね。

じつは奥深いTシャツの世界。ここまでお付き合い下さったお客様に、その魅力を少しでも伝えられている事を願って……。
この記事が今後のTシャツ選びの一助になれましたら大変嬉しく思います!




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