
The Letter VOL.1
The Letter
「 レターについて 」
「贈りたくなる、上質」を掲げて
The Letter
「 レターについて 」
「贈りたくなる、上質」を掲げて
AQUASCUTUM デザイナー小島
今、私たちが掲げている「上質」とは、良い素材であるとか、仕立てが美しいといった見た目の価値だけでは語られないところにも存在しています。
例えば、その服がどんな背景から生まれ、どんなストーリーがあるのかを知ること。
糸はどこから来たのか? どこで造られたのか? 新しい着こなしは?
そんな小さなストーリーも楽しめることが、私たちがお洋服を通して伝えられる上質さの一部だと考えています。
柄や色、素材にはすべて理由があり、小さな物語があります。
そしてそれを知ったとき、服は単なる“モノ”ではなく、誰かに語りたくなる存在へと変わってゆく。
「これね、こんな話があるのよ」——そう伝えたくなる気持ちが、服を長く愛し、人へとつないでいくのだと思います。
理解が深まり、装う時間そのものが豊かになる。それこそが、私たちの考える「贈りたくなる、上質」だと考えます。
このレターが、そんな小さなストーリーを手渡すためのものになれば幸いです。
「 キュー王立植物園について 」
キュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)
──ロンドン郊外に広がる、世界屈指の植物園
2026年春夏ディレクションのインスピレーションとなった、魅力あふれるキューガーデンの世界を簡単にご紹介します。
英国ガーデン好きや植物園巡りが好きな方にはおなじみのこの地は、1759年に設立された世界有数の植物園であり、2003年にユネスコ世界遺産に登録され、その歴史と格式を今に伝えています。
優美なカーブを描くガラス温室や、ビクトリア朝時代の趣を残す建造物、そして200万点以上に及ぶ植物・菌類標本や書物のコレクションが織りなす空間は、知と美が響き合う特別な世界です。

一番有名な温室がこちら「パームガーデン」。今回のディレクションのインスピレーションとなった場所です。
1万6000枚の窓ガラスに覆われた室内にはヤシの木やソテツなどを中心に多くの熱帯植物が生い茂り、階段で2階に上がることもできます。
温室ならではのむわっとした空気が立ち込め、イギリスから突然、南の島にやってきたかのよう。
温室の中には隠れるように地下フロアもあり、海洋水族館が広がっています。

1987年にダイアナ妃によってオープンされたプリンセス・オブ・ウェールズ・コンサバトリーでは、10の気候帯の植物を楽しめます。
三角形の屋根が連なる建物の内部では、コンピュー タ制御により気温を調節し、熱帯乾燥地方と湿潤熱帯 地方を中心とする10の気候帯を再現。
見所は、 同一品種でも気候帯別にまったく異なる顔を見せるランの数々。
毎年2,3月に「オーキッド・フェスティバ ル」が開催され、大勢の人でにぎわいを見せます。

1848年に造園されたローズガーデンでは多種多様な品種が咲き誇り、その美しさに圧倒されます。
イギリスの6月は花の季節。色のバリエーションも豊富で、真っ赤なものからピンク、イエローにオレンジ、マーブル模様になったものまで、次々と目を奪われます。
「 キュー・ガーデンプリントを読み解く 」
バナナリーフ、モンステラ、そして優美なヤシの葉──豊かな南国の植物たちが響き合う、26SSシーズンを象徴するオリジナルプリント。
温室の静謐な空気や柔らかな陽光を閉じ込めたかのようなグラフィックデザインです。
鮮やかなグリーンが幾重にも重なり合い、賑やかで生命力あふれる表情が描かれています。

■バナナの葉(バナナリーフ / Banana Leaf)
大きくて細長い葉、中央の太い葉脈が特徴
■モンステラ(Monstera deliciosa)
大きな切れ込みや穴のある濃い緑の葉
■アレカヤシ(Areca Palm)またはケンチャヤシ(Kentia Palm)
細長くアーチを描く羽状葉
全体に重なり合うように配置され、トロピカル感を演出
■フィロデンドロン・グラジエ(Philodendron gloriosum)
大きなハート型の葉濃緑の葉面に明るい葉脈が入る熱帯雨林原産で観葉植物としても人気
デザイナー小島から皆様にお届けするThe Letter
4回にわたってお届けしますので、次回の更新もどうぞお楽しみに





