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アクアスキュータムが選ばれる理由 Vol.1

アクアスキュータムが選ばれる理由 Vol.1 | NEWS | Aquascutum アクアスキュータム

アクアスキュータムが選ばれる理由
~第1弾~
【名品トレンチコートを徹底解剖】


ご存じの方も多いと思いますが、アクアスキュータムのトレンチコートについて歴史を振り返れば、そのルーツは1850年代にあります。




第一世界大戦当時、ウール・ギャバジン製のトレンチコートを開発したアクアスキュータムは、ロイヤルワラントを授与された唯一のコートでした。
百年以上の歴史を誇るアクアスキュータムのトレンチコートは、今なおアクアスキュータムを象徴する不朽のアイコンです。

今回は、ブランドを象徴してきたレディースのトレンチコートを徹底解剖。
パーツごとの起源や機能性、シルエットに至るまでわかりやすくご紹介します。




Lizabeth Scott:映画『Stolen Face』(1952年)にてアクアスキュータムのトレンチコートを着用



About fabric

01




アクアスキュータムのトレンチコートを語る上で欠かせない要素、それが生地のこだわりです。
先染めの糸を織って仕上げた生地は英国の伝統であり、アクアスキュータムの定番トレンチコートには欠かせません。
糸の状態で美しく染め上げ、経糸と緯糸の組み合わせで作られた色は、後染めにはない深みのある色を作り出しています。
トレンチコートの定番カラーのベージュは、ハニーベージュという色味で柔らかさの中に奥行きを感じさせる仕上げに、ネイビーは、光の角度によって表情を変える濃紺の色に仕上げられています。
そして、先染めで織られた生地で仕立てた1着のトレンチコートは、すべてのパーツの色味が揃うようになっているのです。






また、日本の雨を快適に過ごしたいというお客様の声に磨かれながら最高峰の品質を追求し続けました。
10年着ても優雅な張りと風合いを失わない生地を求めて、選び抜かれた糸で仕立てられています。
高密度に織られた生地は生地自体が非常に丈夫で長期間の着用にも耐えられる耐久性に優れています。
さらに、風を通しにくく保温性を高めてくれる役割も。Aquascutum(水と盾)というブランド名の由来の通り、アクアスキュータムのコートには撥水加工が施されていて、高密度な生地に撥水加工を合わせることで水滴が繊維の隙間に入り込みにくくなります。

170年という歴史の中で確立したアクアスキュータムのトレンチコートは、時を重ねても色褪せない深みあるカラー、雨風を防ぐ機能性、長く愛用できる耐久性を兼ね備えています。


About detail

02




「トレンチ(塹壕)」という名が示す通り、兵士が塹壕戦で着用するコートとして広まり、雨風を防ぎながらも動きやすいよう、従来の厚手の軍用コートより軽く仕立てられ、肩章・ガンフラップ・Dリングなどの機能的ディテールが備えられました。
トレンチコートは戦場で生まれた機能服という起源を超え、現代においては“普遍性”を象徴する存在となりました。




【1】エポーレット
軍服の上からコートを羽織ったときに、将校の地位を示す肩章を付けていました。
グローブや双眼鏡のストラップを通すこともありました。

【2】ガンパッチ
ライフル銃を撃った衝撃を和らげるためのもの。
雨水が銃身に入るのを防ぐ役割を果たしたともいわれています。

【3】鍵フック
縫い付けには高度な職人技が要求されるパーツの一つです。
雨風を防ぐよう襟を立たせ、喉元をしっかり止める役割の金属製のフックのこと。

【4】スリーブストラップ
風雨が強いときに袖口を締めてこれを防ぐとともに、腕の動きで袖がまくり上がらないように設計されています。

【5】ストームポケット
ポケット内が濡れないよう、ボタンで留めるフラップがついています。

【6】革バックル
優雅なディテールの一つとして、革でくるんだバックルが今も使用されています。




【7】ラグラン袖
クリミア戦争の英国総司令官のラグラン卿が右腕を失い、腕が振りやすいコートの製作を依頼したことで誕生したのがラグラン袖。
アクアスキュータムの定番トレンチコートはラグラン袖が採用されてきました。

【8】アンブレラヨーク
雨がかかる背中のヨークは、ケープのように2重構造になっていて、動きを妨げないよう末端は縫い付けられていないのが特徴。

【9】Dリング
ベルトに付けられたD型の金属製リングは戦争中にナイフや水筒、手榴弾を下げるために使用されていました。
今ではベルトがDリングに引っかかって落ちないような役目も。

【10】ベルトステッチ
Dリングに装備品を下げたときに強度と耐久性を考え、ベルトにはステッチがかけられます。

【11】インバーテッドプリーツ
腰上まで深くとられたインバーテッドプリーツが特徴。
戦場でコートの裾が足の動きを妨げず兵士が迅速に行動できるように考案されました。


About silhouette

03




アクアスキュータムは英国にその源流を持ちながらも、日本で展開するトレンチコートにおいては、日本人の体型に寄り添う独自のシルエットを採用しています。
肩まわりや袖丈、着丈に至るまで緻密に設計を見直し、日本人が羽織ったときにこそ端正に、そして自然に映えるバランスを追求してきました。
このこだわりは、決して妥協のないパターンメイキングと熟練の技術に支えられています。
流行に左右されることなく、体型に沿う美しいラインを描くシルエットは、日本の街並みにも溶け込み、装う人の個性を引き立てます。
英国の伝統を継承しながらも、日本人のために進化を遂げたトレンチコート。
それはまさに、ブランドの哲学と職人の感性が結晶した一着であり、アクアスキュータムの矜持を象徴する存在なのです。


【シルエットのポイント】





肩幅

肩を落としすぎずコンパクトに。
肩傾斜を緩やかに設定し、肩線を内側にコンパクトに設計することで、肩まわりがスッキリ収まり、羽織ったときに自然なフィット感が生まれます。
体に沿うように見えながらも“窮屈ではない”絶妙なバランスを実現します。

身幅

ストレート寄りで体型を拾いすぎないラインに。
過度な立体感を避け、自然に馴染む身幅設計を追求しました。
わずかなシェイプを効かせることで、女性らしい品のあるラインを引き立てつつ、無理のない美しいシルエットを実現しています。
ウエストを絞りすぎないストレート~ややシェイプのバランスが、体型を拾いすぎず着やすさを保ちます。

着丈

重たい印象に見えないようなバランスに。
重たく見えない着丈に調整することで、全身のバランスを美しく整えるとともに、軽やかで活動的な印象を添えました。
ヒールにもフラットにも調和する、汎用性の高い丈感です。
アクアスキュータムでは、膝丈の105cmとマキシ丈の114cmに2つに設定しています。


海外ブランドのコートは肩幅や着丈が大きく、日本人が纏うとどこか借り物のような印象を与えてしまうことがあります。
だからこそ私たちは、肩まわりや袖丈、着丈に至るまで緻密に設計を見直し、日本人の体型に自然に寄り添い、最も美しく映えるシルエットを追求しています。


【最後に】

戦場で生まれた機能服としての起源を持ちながら、時代を超えて愛され続けてきたトレンチコート。
伝統を受け継ぎつつ、現代の気候や日本人の体型に合わせて進化を遂げてきました。
その一着は、ただの防寒具ではなく、日常に寄り添いながら洗練を添える存在として、これからも変わらず愛され続けます。