現在のアクアスキュータムロゴの一部となっているクレスト(紋章)は1982年に英国紋章院(College of Arms)によって、過去の業績を評価され、その紋章を認可されました。
紋章院は中世ヨーロッパにおいて紋章を管理していた国家機関でしたが、殆どの国において消滅し、現在も存続しているのはイギリスのみです。
英国紋章院は総裁と13人の紋章官で構成され、総裁はノーフォーク公家(Duke of Norfolk、英国公爵位の一つ。1397年より続く家柄)の世襲です。
紋章の新規登録は形式上、英国国王(女王)からの授与となる為、紋章を与えるに相応しいかどうかの適格性を審査され、請願者は経歴、背景、社会的貢献等をまとめた資料を作成し提出する必要があり、紋章院がそれを審査し、署名することで初めて紋章授与の手続きが始まります。
紋章のデザインは自由に決めることが出来るわけではなく、歴史の中で培われた様々な紋章のルールに従わなければならず、又、同一国家・地域の中でまったく同じ図柄の紋章があってはならず、紋章官は長年の伝統と紋章学から得られた原則に基づき、提出された資料を元にそれにふさわしい紋章図案を考案します。
紋章の図案には、古くから伝承されてきた守らなければならない約束事があります。
アクアスキュータムの紋章も、伝統の様式である4つの構成要素に基づいてデザインされています。
その4つとは、
1 シールド(盾)
2 クレスト(兜飾り)
3 マント
4 モットー
盾の水滴が描かれた青の部分は「水」を表わしています。盾の上にあるのは騎士の兜。兜飾りは剣をかまえるライオンで、ライオンの赤はイングランド、黄色はスコットランドを意味し、剣の赤はシティー・オブ・ロンドンを象徴しています。その兜から左右に伸びているのがマントです。盾の下にあるのがラテから左右に伸びているのがマントです。盾の下にあるのがラテン語のモットーで「われら、この盾の中に信念を持つ」という意味です。